EAの販売サイトなどでよく見る『バックテスト』ですが、「数字がいっぱい並んでて意味がよく分からない」という方も多いと思います。
ここではバックテストデータの見方とポイントとなるデータについて解説していきます。
そもそもバックテストするのは何故?
このレポートは実際のバックテストのレポート(Strategy Tester Report)です。
バックテストとよく言われますが、なぜバックテストを行うのでしょうか?
FXでトレードをする時に「根拠が必要」とよく言われます。
そのエントリーの根拠は? 決済の根拠は?
根拠なくトレードをしていて勝ち続けられるほど相場は甘くありません。
EA内部にはトレードの根拠となるロジックがプログラムされています。
テクニカルがこうなったらエントリー・・・とか
エントリーしたときより何pips逆に動いたら損切する・・・とか
そのロジック(EAのトレード根拠)が相場に優位性があるのかどうかを検証するためにバックテストを行います。
「バックテストは過去の相場の検証だから意味がない」と言う意見もありますが
私の私見としては、長期の過去相場で優位性のないロジックは将来にも通用する可能性は低いと考えています。
ましてや、意味がないからと検証すらしていないのはお話にもならないと思います。
EA選びはバックテストへの投資だとも言えるでしょう。
正しく実施されたバックテストを活用して真っ当なEA選びが出来るようになりましょう。
バックテストのデータの見方
バックテストが大事なんは分かったけど・・・
じゃぁポイントを解説していこか
通貨ペア・期間・モデル・パラメーター
項目 | 内容 |
---|---|
通貨ペア | バックテストで使用した通貨ペア |
期間 | バックテストした時間足と期間 |
モデル | バックテストの方法 |
パラメータ | EAで使用されている変更可能なパラメータ |
ここでのポイントは3つです
テストバー数・モデリング品質・不整合チャートエラー
項目 | 内容 |
---|---|
テストバー数 | バックテストで使用されたローソク足(バー)の本数 |
モデルティック数 | 使用されたデータの疑似ティック数 |
モデリング品質 | バックテストの信憑性(1分足25%、それ以外90%が最大値) |
不整合チャートエラー | 使用されたデータにエラーがあった場合のエラー数 |
これらの項目ではバックテストで使用されたデータの信憑性が分かります。
なのでポイントはただ1つ。
初期証拠金・スプレッド・純益・プロフィットファクタ・期待利得
項目 | 内容 |
---|---|
初期証拠金 | バックテスト開始時の証拠金額 |
スプレッド | バックテスト時に設定されたスプレッド |
純益 | 獲得した純利益(総利益 - 総損失) |
総利益 | 勝ちトレードの合計金額 |
総損失 | 負けトレードの合計金額 |
プロフィットファクタ | 総利益 ÷ 総損失 |
期待利得 | トレード1回あたりの利益 |
投資をするからには得られる利益は大事ですよね。
ここでは純益に目が行きがちになると思いまが、純益はロット数を変えるだけで大きくなります。
ロット数が「自己資金で運用可能なロット数なのか?」の確認は必要です。
純益だけを見て判断するのは危険です!
ここでは以下のポイントに注意しましょう。
絶対ドローダウン・最大ドローダウン・相対ドローダウン・取引数
項目 | 内容 |
---|---|
絶対ドローダウン | 初期証拠金からの下落金額 |
最大ドローダウン | 期間中の最大下落金額(%) |
相対ドローダウン | 証拠金に対する最大の下落率(金額) |
総取引数 | 総トレード回数 |
売りポジション(勝率%) | 売りトレードのみの回数(売りトレードのみの勝率) |
買いポジション(勝率%) | 買いトレードのみの回数(買いトレードのみの勝率) |
ドローダウンには3種類ありますがよく分かりませんよね(笑)
私も最初の頃はよく分かってませんでした(^^;)
絶対ドローダウンと最大ドローダウンはイメージしやすいと思います。
よく分からないのが相対ドローダウンだと思います。
上の例ではパーセントが一番大きい②の位置が相対ドローダウンとなります。
この3つの中で重要なのは最大ドローダウンです。
絶対ドローダウンはバックテストの開始時期によって数値が変わります。
また相対ドローダウンも初期証拠金を多くしたりすることで数値が変わってしまいます。
勝率~
項目 | 内容 |
---|---|
勝率(%) | 全トレード中の勝ちトレード数(%) |
負率(%) | 全トレード中の負けトレード数(%) |
最大 勝ちトレード 敗トレード | 全トレード中の勝ち(負け)トレードの最大金額 |
平均 勝ちトレード 敗トレード | 勝ち(負け)トレードの平均金額 |
最大 連勝(金額) 連敗(金額) | テスト中に記録した最大連勝(連敗)数(その時の金額) |
最大 連勝(トレード数) 連敗(トレード数) | テスト中に記録した連勝(連敗)時の金額(その時の連勝敗数) |
平均 連勝 連敗 | 連勝(連敗)数の平均回数 |
勝率は高いに越したことはない!!
かもしれませんが、そうとは言い切れません。
勝率が高くても利小損大(いわゆるコツコツドカン)のEAなら1回の負けで今まで積み上げてきた利益を失うこともあります。
逆に勝率が低くても損小利大のEAなら1回の勝ちで大きく利益を伸ばすこともあります。
要は最終的に利益がでるのかどうかが重要になります。
とは言えEAにおいて勝率を確認する重要性もあります。
それは、ロジックを把握するためです。
勝率を確認することでおおまかにEAのロジックを把握することが可能になります。
まとめ
今までバックテストのデータは色々あり過ぎて見るのも面倒臭いと思っていた方も多いと思います。
実際はじめの頃は私もそうでした。
バックテストのデータを見ることで100%勝てるEAを見つけることは難しいでしょう。
ですが、最低でも粗悪な物を排除することはできます。
それだけでもEA運用の勝率を上げることが出来ると感じています。
是非、面倒臭さがらずバックテストデータを確認して欲しいと思います。
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